競艇の戦いはスタートラインを通過してからではありません。
実は競艇の戦いは、艇がピットから離れる時から始まっているのです。
競艇で一番有利なのは、一番内側の1コースというのが常識。
なにしろ全国平均で1コースの勝率は50%以上。6コースは2~3%という勝率なので、いかに1コースが有利かが分かります。
今回ご紹介するのは、前付け選手と言って強引に内側のコースを狙いに来る選手の事。
1号艇なら1コースを狙いやすいですが、2号艇以下になると難易度が上がってきます。無理して前付けをすると深インになり、トップスピードにならないままスタート。
後はアウトコースからまくられて終わるという末路も待っています。
そんなリスクを承知の上でインコースを取りに来る、イン屋こと前付け選手をご紹介しましょう。
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目次
スーパーピット離れ!西田靖選手
ピット離れの素晴らしさが有名なベテラン競艇選手。
5号艇でも6号艇でもインコースを取りに行く、インコースの鬼です。
西田選手が出場しているレースでは、1号艇の選手が深インを嫌って最初から1コースを明け渡すシーンもよく見る光景です。
コース泥棒!石川真二選手
異常なまでのインコースへの執着心を持つ福岡出身のイン屋。
6号艇でも1コースへまっしぐらに向かう姿勢は潔いの一言に尽きます。
実はギラン・バレー症候群という難病を患い、生死の境から復活した人でもあります。
趣味のバンド活動で、蒲郡競艇場で演奏をした事があります。
深イン真二こと深川真二選手
佐賀支部のイン屋の大先輩こと上瀧和則選手のスタイルを正統に受け継いだ由緒あるイン屋。
深インを全く恐れず1コースを取りに行く為、アナウンスで深イン真二と呼ばれる事もあります。
2015年5月18日の江戸川競艇第6Rで、強い追い風の中の6号艇で前付けをした結果、スタートから45メートル手前でアクセルを握ったという伝説を残しています。
イン速攻でサムズアップ!今村暢孝選手
今村選手もインコースにこだわる生粋のイン屋です。
深インになってもスタートで遅れる事が少ないのは、いつもの場所だからでしょう。
健康に気を使い1日に水を3リットル飲んだり、ガーデニングが趣味だったりと意外な一面もあります。
トレードマークは勝利後に見せるサムズアップポーズです。
びわこ番長!吉川昭男選手
滋賀支部の前付け屋こと吉川選手は、2017年には年間124勝で最多勝利選手に輝いている実力派。
更に2019年2月21日の芦屋競艇にて通算2000勝を達成しています。
びわ湖競艇場はその形状からインコースが不利とされていますが、地元の吉川選手にとっては全く問題ありません。
びわこ番長の実弟!吉川善継選手
びわこ番長こと吉川昭男選手の実の弟である善継選手。
9歳離れた兄の昭男選手と共に練習をする際、泣くまで怒られた経験から着実に実力を付けています。
インコース不利な地元のびわこ競艇場も、普段の練習場所なので対策済。
びわこ競艇での善継選手の前付けには注意したいところです。
インの鬼姫!鵜飼菜穂子選手
デビュー戦の新人は6コースに入る事が通説とされています。
その中で鵜飼選手はデビュー戦で、センターの3コースに位置取りするという前代未聞の行動を起こしてくれました。
アナウンサーからもインの鬼姫という異名で呼ばれる程の前付け屋です。
ミスターストイック!江口晃生選手
デビュー1年半でA級に昇格、2年後に最優秀新人賞、その翌年にはSG初出場と昔から実力のある選手でした。
調子が分かりやすく、調子が良い時は体重を50kg近くまで絞り込んだ状態でインコースを狙いまくる選手です。
魂のイン屋!鈴木幸夫選手
還暦を過ぎた大ベテランで、意地のイン取りを見せてくれる根っからのイン屋です。
昔の競艇は進入固定レースが少なかったので、ベテランイン屋としては最近のレースがやりにくいのではないでしょうか。
と思っていたのですが、やはりイン屋の血は忘れられません。枠なり進入でも積極的に前付けしに行きます。
3億円返還事件!宮地元輝選手
2018年4月8日の唐津競艇G1全日本王者決定戦の優勝戦での出来事。
6号艇で出走した宮地選手は、スタート展示から前付けを敢行。
本番でも強引な前付けを行い1号艇の選手が抵抗した結果、2艇とも待機行動違反になりました。
さらに2艇ともスタートラインから80m程の深インとなり、そのまま両者フライング。
宮地選手は地元唐津でのG1優出でなんとしても勝ちたかったのでしょう。
勝利を掴むためにはリスクを承知で前付けする宮地選手は、次代のイン屋筆頭候補です。
進入予想も競艇の醍醐味!
今回ご紹介した前付け選手以外にも前付けをする選手はいます。
レースが荒れるという事で一部のファンの間からは、嫌われている前付け選手達。
しかし、勝利を掴む為の技術である事は確かですし、リスクもある行動です。
勇気が無いと不可能な前付け選手が、他の選手よりも勝利に近づくのは当然と言えるでしょう。
もちろんレースも荒れやすくなるので舟券予想も難しくなりますが、高配当をもたらしてくれる事もあります。
今回ご紹介した前付け選手が出場しているレースは、スタート展示から目を離してはいけません。
各艇の前付け選手に対する動きを予想する事が、舟券回収のキーワードとなります