ボートレースにおいて、6コースが圧倒的に不利なのは常識です。
一般的に内側のコースであるほど、ボートレースでは有利であり、1コースと6コースでは、1着になる確率には格段の差があります。
しかし、阿波選手はそんなボートレースの常識を破り6コース一本で勝負する選手です。
阿波選手が6コースにこだわるようになった理由は、その“男気”にあります。
ボートレースではコース進入の時には、選手同士で駆け引きや暗黙の了解などがあります。阿波選手はそんなコース取りの駆け引きに疑問を感じ、駆け引き無しの勝負にこだわったのです。
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チルト3.0度からの豪快なまくり!
6コースにこだわりながら成績を上げることは、普通では困難なことです。しかし、阿波選手はチルト3.0によりその常識を打ち破ったのです。
チルトとはモーターをボートに取り付ける角度のことで、数字が高いほどボートのスピードは速くなります。
阿波選手はチルト角度を常に最大にすることで、6コースからの勝利を可能にしたのです。チルトの最大角度は競艇場により異なるのですが、一番高く設定出来る競艇場でも3.0です。
しかし、3.0に設定する選手はほとんどいません。なぜなら、チルトが高いほどターンが困難になり、転覆のリスクが上がるからです。
しかし、そんなターンの困難さも乗り越え、阿波選手はチルト3.0にこだわり勝利を納めてきたのです。
そんな阿波選手の得意な決まり手は、なんと言っても圧倒的な直線での伸びを活かした、6コースからの豪快なまくりです。
その特徴的なスタイルで人気の高い阿波選手ですが、やはり6コースからの出走で好成績を維持するのはなかなか難しいようです。
2004年の後期には勝率6.89まで伸ばしていましたが、最近の成績では勝率5.03になっています。
3連対率は48.7%と入賞の可能性が高い選手とは言えません。
しかし、それでも6コースから出走のスタイルを貫く阿波選手こそが、本物のレーサーと言えるのではないでしょうか。
阿波勝哉選手の実力・成績
阿波選手は1996年に多摩川競艇場にてデビューしています。
デビュー間もないころは、6コース以外から出走することもあったようです。しかし、2002年の「一般戦 第10回蒲郡スピード王座決定戦」の優勝戦ではすでに、6コースをあえて取りに行くスタイルで初優勝を飾っています。
2003年頃から本格的に6コース一本にこだわるようになった阿波選手は、その男気が注目されるようになります。
2005年4月には「G1全日本王座決定戦 開設53周年記念競走」でG1初優出を達成し、さらに人気を高め、同年5月にはファン投票にて選出される「SG第32回笹川賞」でSG初出場を決めています。
阿波選手はフライングのリスクが高いスタイルゆえに、フライング休みのペナルティを受たり、プロペラの基準や制度の変更に苦しんだりしています。
困難ばかりとも言える阿波選手のスタイルですが、それでも6コースへのこだわりは現在でも貫いています。
阿波勝哉選手のプロフィール・素顔
プロフィール
- 登録番号:3857
- 生年月日:1973/04/18
- 身長:165cm
- 血液型:AB型
- 支部:東京
- 出身地:東京都
- 登録期:79期
阿波選手がボートレーサーを目指したきっかけは、中学時代の友人に勧められたことだそうです。
阿波選手はフライング休みのため、半年の間も無収入になってしまい、建設現場などでのアルバイトで生計を立てていた時期もあったようです。